2021/05/25 02:40

オーガニカコヒィのマスターに聞きました。

「何故吉備中央なのか?しかもこんな山の奥の方なのか?」

マスターは、ネパールに何度も足を運び現地の人にコーヒー栽培をしてもらうプロジェクトを
進めているところだそうです。そして~!
「友達がここの近くにいて、いざ来てみたら吉備中央町の山の上の景色がネパールに似ていたから気に入った」
と話してくれました。

ご存じの方もおるかも知れないけど、貧困にあえぐ国で満足な水道施設も十分に出来ていなくて
遠く離れた水道施設まで水を汲みに行くことから生活が始まるそうです。
そしてそんな重労働をするのは子供たちだそうです。

国が就学の義務を課していないため子供たちは学校にも行かずに働くそうです。
大人も仕事がなくて、旅行できたマスターに「何か仕事はないか」と声を掛けられたと言います。
この人達にオーガニックコーヒーを栽培してもらうことを考えたそうです。

もっと水道施設を生活圏まで近づけるために資材を準備して2度目のネパール訪問をしたそうです。
現地でアパートを借りて、何日もかけて水道設備工事を現地民と自分たちで行い完成させました。
日本のように各家庭で蛇口をひねれば水が出るまでにはならないまでも、
以前のように子供たちが時間をかけて長い距離を運ばなくてもいいところまでには出来ました。

次にコーヒーの苗を探し求めて3度目の渡航をしたそうです。
ネパールでは、外人によるコーヒー栽培の農園はいくつかあるそうですが
貧困な現地の人の農園はないと言います。

苗を探し求めてもなかなか見つからず相当に苦労したと言います。
ようやく5000本もの苗を揃えることが出来た時、新型コロナの影響で渡航することが出来なくなり
植える予定だったのが暗礁に乗り上げました。

ところがその苗を、現地民たちが全部植えてくれたそうです。
コーヒーの木は、育てやすい木といいます。
熱帯地方の植物で、冬に気温がマイナスになるような日本の寒い地域では
栽培は厳しいようです。

幼木のうちは他の草に負けてしまわないように管理してあげなければならないそうで
今は、現地民は草取りをしているのではないかと思われます。
その5000本の木がうまく大きくなり実をつけるようになれば、5000トンの収穫が見込めるといいます。

それを一手に引き取って日本で販売していく。
その時には、ここの場所と設備ではとてもやっていけないので
もっと大規模な施設を準備しなければならないと思っていると話してくれました。

「貧困にあえぐ現地民にお金で支援すれば、その時は助かるかも知れないけど
そんな依存した関係では、いつまで経っても現地は自立できない
現地民がコーヒー栽培をして潤っていければ豊かに自立していけるよね。
それがフェアトレードというものでしょ」

なんて壮大で人と自然を愛してやまない人達が、何故か吉備中央に集まっている
この出会いを自分のものだけで終わらせたくない思いを強く感じるばかりでした。